最近は暗くなるのが早くなって
気分が落ち込むというか
余計、夜に出かける気が起きない日々です。
『あーあ、人間って、
面倒くせえな。
俺は人間をやりたくないよ。』
p201
という訳で、
佐藤多佳子さんの
『明るい夜に出かけて』を読みました。
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あらすじ↓
富山は、ある事件がもとで心を閉ざし、大学を休学して海の側の街で
コンビニバイトをしながら一人暮らしを始めた。
バイトリーダーでネットの「歌い手」の鹿沢、
同じラジオ好きの風変わりな少女佐古田、
ワケありの旧友永川と交流するうちに、
色を失った世界が蘇っていく。
実在の深夜ラジオ番組を織り込み、
夜の中で彷徨う若者たちの孤独と繋がりを暖かく描いた
青春小説の傑作。山本周五郎賞受賞作。
こんな人におすすめ
☆人間って面倒くさい、人生に疲れている人
☆ラジオ好きな人
☆人に触られるのが苦手な人
主人公の富山が
人に触られるのが苦手なんですよ。
私もそういうタイプなので
気持ちわかるなぁと思いました。
そういうことを書いてる小説だとは
知らなかったので
同じような人がいるんだなぁと
なんか安心しました。
人に触られるのが嫌と言うと、
慣れないとダメだって
すごく触ってくる人がいますが
いい大人が
人が嫌だって言うことをやってくるのは
いじめじゃないでしょうか?
接客で手が触れ合うのとかもだいぶ嫌です。
人の体温を感じるのが少し気持ち悪いです。
『自分が正しいなんて意味ねえんだなって、つくづく思ったよ。
通用しない相手がいる。
だけど、自分の心を守る。最後の砦は、やっぱりそこだ。
俺は俺が正しいと思ったことをやる。
その信念。その意地。』
p292
色を失った世界が蘇る、
系の小説を読むと
人に傷つけられて色を失っても、
人との関りで色を取り戻すんですよね。
それは自分の経験上もそうで
もう人が怖い、人間嫌い、
人と関わりたくないと思っても
人との関わりで回復しています。
今の時代はそれがネット上でも
行われるから
大変な一面もありますが
解説の朝井リョウさんの
言葉を借りると
『この小説は、現代だからこそ受け得る傷を描きながら、
懐古主義に逃げず、
現代だからこそ生まれる傷の癒し方、
そして新たな光さえも提示してくれている』
P402
のです。
解説の朝井リョウさんの文章で
気に入ったのが
『私は著者の作品の表紙を開くときいつも、
人生から滲み出る
ほのかな光を閉じ込めた宝箱の蓋を
開けるような気持ちになる』
という文章。
5回くらい繰り返し読み返しました。
とても素敵な表現だなぁと思います。
なんの影響を受けた言葉なのか
思い出せないのですが、昔から
『人の気持ちは良くも悪くも変わる』
という言葉が好きです。
山本周五郎賞って
『ゴールデンスランバー』や
『ふがいない僕は空を見た』が
賞をもらっているんですね。
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ゴールデンスランバーは
映画観に行ったなぁ。
堺雅人さん好き。
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寺地はるなさんの
『夜が暗いとはかぎらない』
も2020年の候補作でした。
夜が暗いとはかぎらない
こういう〇〇賞の作品って
全制覇してみたいとか思いますよ。
・・・やってみるか!
今回は佐藤多佳子さんの明るい夜に出かけてを読んだことについて
書きました。
ではまた!
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