西加奈子さんのおまじないを読みました

西加奈子さんのおまじないを読みました。

おまじない （ちくま文庫　にー9-3） [ 西　加奈子 ] 価格：682円（税込、送料無料) (2022/5/27時点)

裏表紙より↓

「あなたは悪くないんです。」(「燃やす」)

「私たちは、この世界で役割を与えられた係なんだ。」(「孫係」)

「弱いことってそんなにいけないんですか？」(「マタニティ」)

様々な人生の転機に、

まじめさゆえに孤独に思い悩んでしまう

女性たちの背中をそっと押して、

新しい世界に踏み出す勇気をくれる魔法のひとこと。

八篇の物語が収録されています。

いくつかの感想を。

「燃やす」

可愛くなりたい思いを踏みにじる、悲しい事件というのはありますよね。

数年前に、私はもう大人ですが

夕方にライブまでの時間があってちょっとベンチで荷物整理していました。

仕切りのあるベンチだったのですが

スーツ姿のはげたおじさんが「隣良いですか？」って聞いてきたので

「どうぞ」って言いました。

そしたら

「誰か待ってるの？彼氏？友達かな？それともこれから夜のお仕事かな？」

って話しかけてきて、えっ？て思いました。

無言で立ち去ってカフェに入りました。

その風貌でナンパ？

ライブまでの時間をその辺のベンチに座って

待つことも許されないの？

推しに向けて可愛くしたのであって

どこの誰かもわからんお前のために

可愛くしてるわけがないだろー😠

と思いました。

なんてことが昼でも夜でもあるので

大人になっても女は気をつけないといけないんだぞ。

自分の身は自分で守らなきゃいけない時があるんだぞ！

と思います。

知らない男性が話しかけてくるのは恐怖でしかないので

やめてほしいです。

「孫係」

巻末に西加奈子×長濱ねるの対談があって

その中で

「孫係は『おまじない』の中で一番反響の多かった話で、

「一番好きです」とよくお手紙もいただく」

と言っているのですが、私もこの作品が１番好きです。

ありのままの自分で生きていくより

仮面をつけて生きたほうが楽だよねって私も思っているので。

だいたいの人は仕事ならちゃんとやるじゃないですか。

社会人の役をちゃんと演じるし、演じることができる。

早起き苦手でもちゃんと起きて仕事に行くし

嫌な客を無視する訳にもいかないし

めんどうな電話を切る訳にもいかないし

掃除嫌いだからってしない訳にはいかないし。

誰がどんな係をしているのかは是非読んでみてほしいですよ。

立派に見える人も、案外家では自分と同じなのかもなぁって思えます。

「ドブロブニク」

これは２番目に好きな作品かもしれない。

自分の居場所ができた。

居心地が良かったはずなのに

ずっとここに居たかったはずなのに

何かがずれていく感覚。

私もここ以外の場所で生きていけるだろうか

なんてことが今まで２回くらいあった気がしますが

まぁなんとかなるものです。

結局、自分がどうしたいかなんだと思います。

そこに居続けるのか、

今より良くなる確約はないけど飛び立つのか。

その選択に正解はないなって思います。

私はそこに居続けることで、後悔するのが嫌なタイプですが

我慢して我慢して我慢して爆発して

発射するみたいな感じで飛び立つので

あまりきれいな飛び立ち方じゃないんのですが

それ以外の飛び立ち方が分からないまま生きています。

自分の中でおまじないみたいなことありますか？

私は最近はそういうのないですね。

中学生の時辺りは

何曜日に爪を切るといいとか

部活の大会の時はこの下着をつける

みたいなのがあったのですが。

「ドラゴン・スープレックス」より

「まじないや縁起なんてな、自分で決めるもんやねん。

だってな、自分が幸せになるためのもんやろ？

それに囚われるのはおかしいやんか。」P226

呪いの言葉としてではなく

いい方向に言葉の力を使えるといいですよね。

ではまた！

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